■城名
鬼ノ城(きのじょう)
■別名
-
■所在地
岡山県総社市
■称号
日本100名城
■築城年
(推定)7世紀後半頃
■廃城年
不明
■築城者
(推定)大和朝廷
■主な改修者
不明
■主な城主
不明
■天守
なし
■天守構造
-
■城郭構造
-
■城分類
古代山城(神籠石式山城)
■縄張
吉備高原の南端に位置し、標高397メートルの鬼城山の山頂部に所在し、すり鉢を伏せた形の山容の7〜9合目の外周を、石塁・土塁による城壁が鉢巻状に2.8キロメートルに渡って巡っています。
城壁で囲まれた城内の面積は、約30ヘクタール。
城壁は土塁が主体で、城門4か所・角楼・水門6か所などで構成されています。
城内では、礎石建物跡7棟・掘立柱建物跡1棟・溜井・烽火場・鍛冶遺構などが確認されています。
鬼ノ城は、山城に必要な設備がほぼ備わり、未完成の山城が多い中で稀な完成した古代山城とされています。
城門は、防御正面に東門・南門・西門、防御背面に北門の4ヵ所が開きます。
主の進入路と思われる場所に西門があり、西門の北側約60メートルの隅かどに角楼があります。
各々の城門は、門礎を添わせた掘立柱で、門道は石敷きです。
西門は平門構造で、他の門は懸門構造です。
■歴史
白村江の戦いで唐・新羅連合軍に大敗した後、大和朝廷は倭(日本)の防衛のために、対馬~畿内に至る要衝に様々な防御施設を築きました。
鬼ノ城は史書に記載が無く、築城年は不明ですが、発掘調査では7世紀後半に築かれたとされています。
鬼ノ城は、いにしえから吉備津彦命による温羅退治の、伝承地として知られています。
苔むした石垣が散在する状況から、城跡らしいと判断され、「キのシロ」と呼んでいました。
「キ」は、百済の古語では城を意味し、後に「鬼」の文字をあてたにすぎません。
鬼ノ城の廃城後の飛鳥時代から平安時代にかけて、山岳寺院が営まれています。
■遺構
城門、角楼、石塁、土塁、水門、敷石
■再建造物
城門、角楼、土塁
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■城巡り記録
2022年1月15日
正直言って舐めていました。
日本100名城において、唯一可笑しな城だなぁと思い、岡山は桃太郎伝説があるからこんなよく分からない城を選んだのかなぁと思っていました。
他の100名城よりだいぶ格下な城だろうと。
しかし、行ってみたら全然違いました。
素晴らしいお城です。
白村江の戦で敗れた日本は防備を固めるために作ったお城らしいという話です。
しかし、この時代にここまですごいお城が作れるのでしょうか。
さて、行きは山頂にあるということもあり、タクシーで行くことにしました。
といっても、無人駅らしく、駅前でタクシーが待っていることも無いとの事でしたので、事前に予約を入れました。
服部駅に着くと同時にタクシーに乗車出来ました。
しっかり計画建てておいてよかったです。
タクシーに乗るとビジターセンターまで行ってくれるのですが、その手前にある鬼の大釜で止まってくれます。
鬼が使っていた大釜というのはよくある話ですが、結構大きいです。
残念なことにそこはさびて抜けてしまっていました。
鬼ノ城ビジターセンターに到着です。
看板には鬼ノ城の案内が書かれています。
こちらに100名城スタンプが置かれていますので、忘れずに先に押印しました。
こちらには鬼ノ城の特徴が記載されていました。
なんといっても版築土塁が有名なところです。
そして、戦国時代よりはるかに前何に高石垣があるそうです。
さらに通路には敷石が敷かれているとか。
すごいじゃないですか。
水門があり、場内の低い部分にたまった水を排水させるため6つの水門を用意していたそうです。
そして、全体像ですが、でかい。
こんな山の上にこれほどの範囲の城って・・・。
というか、ここまで登ってくるだけでも大変ではないですかね。
そんな思いを描きつつ、いよいよ見に行きます。
道はしっかりと整備されています。
直線の通路とグネグネと曲がった観光用の通路があります。
急いで登りたいので直線にしようかと思ったのですが、観光用に行ってみました。
すると途中で学習広場なるところに出ました。
こちらが何か分かりませんが、橋があるので一応確認のため行ってみました。
するとどうでしょう。
鬼ノ城の西門が綺麗に見えるではないですか。
これはすごいですね。
徐々に大きく見えますが、鬼ノ城の城壁が非常に良く見えます。
一番先の広がっている場所からは3方が綺麗に見渡せました。
ここからは岡山から瀬戸内海まできれいに見渡せますね。
平野の向こうの海まで見えたのには驚きました。
鬼ノ城の城門、再建造物ですが、かっこいいですね。
確かに山賊の館のような雰囲気もあります。
あの城門の上の櫓には入場できないようですが、あそこから見た景色はすごく良いのでしょう。
これなら敵に早めに気が付くことが出来そうです。
戻って、西の門に近づいていきます。
門の手前には角桜が再建されています。
これは、南北両方から入り込んだ谷の頭部にあたる背面側の要地で、正面側約13m、奥行側約4mが前方へ突出した長方形の張り出し部が、城壁に付設されていて、張り出し部の下部は、推定高さ約3mの石垣とし、その上部は土積みであったようで、張り出し部の本来の高さは約5m以上と推定されています。
この壁が版築土塁です。
これも再建されたものですが、当時もこんな感じだったのでしょう。
そして門の前。
もう周りが開けている。
なんだろう。この景色の良さは。
そして、石畳が続いています。
この西門ですが、平成8年度の調査で新たに発見された城門らしいです。
正面3間(12.3m)、奥行2間(8.3m)の大規模な城門で、中央1間が開口し、12本柱で構成される堀立柱城門で、開口部の床面は大きな石を敷いており、その両側に6本の角柱が立っています。
門をくぐります。
かなり幅があるのにびっくりしました。
そして内側には、さらに多い石畳があります。
壁沿いをずっと石畳が続いています。
この城壁の周りを兵士が見回りをしていたのでしょうか。
結局、唐・新羅ともに襲撃に来なかったみたいですが、毎日びくびくしていたのでしょうか。
まぁこの城に攻めてくることは無いような気がしますが、陸路で大和政権のあった場所に向かう途中でここから発見したら、追って行って後ろから攻めることを想定していたのかもしれません。
そうなると、後ろから攻められるのは嫌なので、やはりこの城を落とそうと考えたのでしょうか。
日本は山だらけの国なので、攻めにくいと思うんですよね。
攻めてきたらどうなっていたのか、結構気になるところです。
城壁沿いに続いている石畳を降りていきます。
すると築城当時の敷石と書かれた看板がありました。
あれっ、するとこれまでのは築城時ではなく再建時にイメージして敷いたものだということでしょうか。
なんかよく分からなくなってきました。
築城式の敷石は一列に並んでいました。
こちらも並んだ石。
これが石垣らしいです。
少し降りて側面から見ると確かにしっかりとした石垣になっていました。
これはすごいですね。
戦国時代の石垣といってもよさそうな積み方です。
この辺の石垣は本当に当時のままなのか、積み直されたものなのか、その辺は分かりません。
しかし、見事であることは間違いないです。
ここからの景色もいいですね。
ところどころで煙が上がっています。
畑で焚火をしていますね。
それにしても石垣の高さが結構あります。
落ちないかひやひやしました。
途中には石佛もあります。
これは後の寺院の時に建てられたものでしょう。
かなり門と門の間が距離がありますね。
西門からやっとのことで南門につきました。
こちらはそこまで再建されていないようです。
門跡として整備されています。
ただこの先に道があるのでしょうか。
こんな絶壁を登ってこれるのか不思議です。
さらに良い景色を見ながら歩きました。
今日は晴天で良かったです。
これが雨の日であったら土でぐちゃぐちゃになっていたに違いありません。
この場所は雨の日は来ないほうが良いですね。
石に仏様が彫られていました。
これも後の寺院時代に掘られたものだと思います。
それにしてもここから見る景色は非常によいです。
こんな場所が岡山にあるなんて、本当に驚きですね。
第四水門跡です。
水門というより川に橋が架かっているような感じですね。
その先には岩が。
こうした岩がたくさんあったことにより石垣を作ることが出来たのでしょう。
そして、やっとこさ東門へ。
南門と似たような感じです。
なんか、バンジージャンプをする場所のような感じがしますね。
いやいや、ハングライダーの方が適切でしょうか。
場所としては下っていて、先が崖みたいになっているので、非常に良いのではないかと思います。
鍛冶工房跡がありました。
当時から鉄などを作っていたのでしょう。
結構上り下りが激しくて、岩の間を行く感じなので、本当に雨の日はやめた方がいいと思います。
石で滑ってケガをしそうです。
さらにかなり1周の距離が長いので、ある程度の体力をつけてから行くことも必須ですね。
しかし、この景色を見ると疲れも吹っ飛ぶというものです。
最後の北門に来ました。
こちらからは外につながっています。
階段を下りて下に行くことも出来るようになっていました。
さらに歩くとやっとスタート地点の西門に到着します。
こちらは西門手前の角桜です。
すっかり整備されて展望台のようになっています。
ここから西門を見ながら遠くの景色を見るのもいいですね。
鬼ノ城は見どころがたくさんあります。
これほど満足させてくれるお城はなかなかないです。
ものすごく堪能できました。
帰りは気分よく、走って降りてきました。
下りのためか、あまり疲れることなく降りることが出来ましたよ。
降りてから上を見上げるとしっかりと西の門が見えています。
本当にすごいお城ですね。
ぜひ行くべく、おすすめのお城です。
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